第4週 (5) – 小説①

次(つぎ)の会話文(かいわぶん)を読(よ)んで、後(あと)の文(ぶん)から正(ただ)しいものを選(えら)ぼう。

Chọn câu đúng:

次(つぎ)の文章(ぶんしょう)を読(よ)んで、後(あと)の問(と)いに答(こた)えなさい。

昨年(さくねん)のクリスマスの午後(ごご)、堀川(ほりかわ)安吉(やすきち)は須田町(すだちょう)の角(かく)から新橋(しんばし)行(ゆ)きの乗(の)り合(あ)い自動車(じどうしゃ)に乗(の)った。彼(かれ)の席(せき)だけはあったものの、自動車(じどうしゃ)の中(なか)は相変(あいか)わらず身動(みうご)きえ出来(でき)ぬ満員(まんいん)である。

「お嬢(じょう)さん。ここへおかけなさい。」

宣教師(せんきょうし)は太(ふと)い腰(こし)を起(おこ)した。

「ありがとう。」

少女(しょうじょ)は宣教師(せんきょうし)と入(い)れ違(ちが)いに安吉(やすきち)の隣(となり)へ腰(こし)をかけた。

「きょうはあなたのお誕生日(たんじょうび)！」

宣教師(せんきょうし)は突然(とつぜん)笑(わら)い出(だ)した。

「お嬢(じょう)さん。あなたは好(い)い日(ひ)にお生(う)まれなさいましたね。きょうはこの上(うえ)もないお誕生日(たんじょうび)です。世界中(せかいじゅう)のお祝(いわ)いするお誕生日(たんじょうび)です。あなたは今(いま)に、－あなたの大人(おとな)になった時(とき)にはですね、あなたはきっと・・・」

宣教師(せんきょうし)は言葉(ことば)につかえたまま、自動車(じどうしゃ)の中(なか)を見回(みまわ)した。同時(どうじ)に安吉(やすきち)と眼(め)を合(あ)わせた。宣教師(せんきょうし)の眼(め)はパンス・ネエの奥(おく)に笑(わら)い涙(なみだ)をかがやかせている。安吉(やすきち)はその幸福(こうふく)に満(み)ちた鼠色(ねずみいろ)の眼(め)の中(なか)にあらゆるクリスマスの美(うつく)しさを感(かん)じた。

「あなたはきっと賢(かしこ)い奥(おく)さんに－優(やさ)しいお母(かあ)さんにおかりなさるでしょう。ではお嬢(じょう)さん、さようなら。わたしの降(お)りる所(ところ)へ来(き)ましたから。では―」