第4週 (6) – 小説②

次(つぎ)の会話文(かいわぶん)を読(よ)んで、後(あと)の文(ぶん)から正(ただ)しいものを選(えら)ぼう。

Chọn câu đúng:

次(つぎ)の文章(ぶんしょう)を読(よ)んで、後(あと)の問(と)いになさい。

「ではみなさんは、そういうふうに川(かわ)だと言(い)われたり、乳(ちち)の流(なが)れたあとだと言(い)われたりしていた、このぼんやりと白(しろ)いものがほんとうは何(なに)かご承知(しょうち)ですか。」

カムパネルラが手(て)をあげました。それから四、五人手(ひとで)をあげました。ジョバンニも①手(て)をあげようとして、急(いそ)いでそのままやめました。たしかにあれがみんな星(ほし)だと、いつか雑誌(ざっし)で読(よ)んだのでしたが、このごろはジョバンニはまるで毎日(まいにち)教室(きょうしつ)でも眠(ねむ)く、本(ほん)を読(よ)むひまも読(よ)む本(ほん)もないので、なんだかどんなこともよくわからないという気持(きも)ちがするのでした。

ところが先生(せんせい)は早(はや)くそれを見(み)つけたのでした。

「ジョバンニさん。あなたはわかっているのでしょう。」

ジョバンニは勢(いきお)いよく立(た)ちあがりましたが、立(た)ってみるともうはっきりとそれを答(こた)えることができないのでした。先生(せんせい)がまた言(い)いました。

「大(おお)きな望遠鏡(ぼうえんきょう)で銀河(ぎんが)をよっく調(しら)べると銀河(ぎんが)はだいたい何(なん)でしょう。」

やっぱり星(ほし)だとジョバンニは思(おも)いましたが、こんどもすぐに答(こた)えることができませんでした。

先生(せんせい)はしばらく困(こま)ったようすでしたが、眼(め)をカムパネルラのほうへ向(む)けて、

「ではカムパネルラさん。」と名指(なざ)しました。

するとあんなに元気(げんき)に手(て)をあげたカムパネルラが、やはりもじもじ立(た)ち上(あ)がったままやはり答(こた)えができませんでした。

先生(せんせい)は意外(いがい)なようにしばらくじっとカムパネルラを見(み)ていましたが、急(いそ)いで、

「では、よし。」と言(い)いながら、自分(じぶん)で星図(せいず)を指(さ)しました。

「このぼんやりと白(しろ)い銀河(ぎんが)を大(おお)きないい望遠鏡(ぼうえんきょう)で見(み)ますと、もうたくさんの小(ちい)さな星(ほし)に見(み)えるのです。ジョバンニさんそうでしょう。」

ジョバンニはまっかになってうなずきました。けれどもいつかジョバンニの眼(め)のなかには②涙(なみだ)がいっぱいになりました。そうだ僕(ぼく)は知(し)っていたものだ、もちろんカムパネルラも知(し)っている、それはいつかカムパネルラのお父(とう)さんの博士(はかせ)のうちでカムパネルラといっしょに読(よ)んだ雑誌(ざっし)のなかにあったのだ。それをカムパネルラが忘(わす)れるは図(ず)もなかったのに、すぐに返事(へんじ)をしなかったのは、このごろぼくが、朝(あさ)にも午後(ごご)にも仕事(しごと)がつらく、学校(がっこう)に出(で)てももうみんなともはきはき遊(あそ)ばず、カムパネルラともあんまり物(もの)を言(い)わないようになったので、カムパネルラがそれを知(し)って気(き)の毒(どく)がってわざと返事(へんじ)をしなかったのだ、そう考(かんが)えるとたまらないほど、自分(じぶん)もカムパネルラもあわれなような気(き)がするのでした。